二子玉川の街から望む緑豊かな斜面地に建つ、白亜の邸宅マンション「瀬田ファースト」。外壁、バルコニー、外階段などすべてが白で統一された建築物で、穏やかな世田谷の街に調和しながらも、その美しいフォルムで独特の存在感を放ちます。

「瀬田ファースト」は、竣工から20年が経過した2012年にR100 tokyo を運営する株式会社リビタが総戸数の半数を超える10室を取得し、リノベーションプロジェクトを実施。賃貸レジデンスとして運用されていた間に老朽化した共用部分を含めたリノベーションを行うとともに、管理会社や組合と連携し、長期修繕計画や管理の見直しを実施。専有住戸にはコンセプトルームをつくり、全室を新たな住まい手へ引き継ぎました。長く住み継がれるための再生への取り組みが評価され、2013年にはグッドデザイン賞を受賞。「瀬田ファースト」のもつ魅力を次世代へと継承するための仕組みを構築しました。

2024年に新たにリノベーションされた本邸は、建物全体の美しい意匠を内装デザインにも取り入れ、シンプルで柔らかな色調の素材を採用することで洗練された住まい空間を実現しました。曲線をデザインすることで光が柔らかに馴染み、上質で心地よい空間を創り出しています。

リノベーション前はダイニングキッチンとリビングが分断されていた間取りを、スムーズな導線の一体空間へと一新。リビング・ダイニング・リラックススペースとゆるやかにゾーニングをして、思い思いの場所で心地よく寛げる住まいをつくりました。キッチンのカウンターにはリプパネルを採用し、縦ラインのデザインを差し込むことで、空間にメリハリを与えています。

ラウンド形状の窓からはワイドな風景が広がり、ルーフテラスの先に抜ける世田谷の穏やかな街並みの眺望が、開放的な心地よさをもたらします。時間と共に移りゆく景色が日常を穏やかに美しく彩る一邸です。

設計： 久保都島建築設計事務所　久保秀朗・都島有美

久保秀朗氏・都島有美氏によって2011年に設立された建築事務所。光の入り方や空気の通りを意識した洗練された空間デザインに定評があり、住宅をはじめ、オフィス、店舗、クリニック、家具の設計・監理を手がける。各種アワード受賞、雑誌掲載多数。

Photo：Masaaki Inoue

R100 tokyo による企画・リノベーション

本邸は R100 tokyo の企画・リノベーション物件です。R100 tokyo のブランドビジョン「Quiddity of Life～本質的な価値感が表現される暮らし」と、空間作りのコンセプト「Crafted Home」に基づき、住まい手が本質的な心地良さ・豊かさを体感し長く愛着を持ち住み続け、次の住まい手へと引き継いでいける住まい作りを行っています。一邸一邸個性ある空間をリノベーションするブランドだからこそ、立地や空間の個性を丁寧に紐解き、住むことの心地よさを実感し、人生の本質を愉しむための住まいづくりを行います。歴史に培われた「家」の原点と向き合い、上質さを尊重し、タイムレスな価値を創造すること。空間のゆとりを生み出し、細部まで丁寧に整えること。時間の積み重ねとともに深みを増し愛着をもたらす素材を選定すること。光の動きや季節の移り変わりを美しく感じ、日常を豊かに感じられるシーンを持つ空間を目指すこと。そうした住まいと暮らしの提案をしていきます。

Photo: Masaaki Inoue (BOUILLON)