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目標は、海外で経験した“豊かな住まい”を東京に引き継ぐこと。約200平米のマンションとの出会いでかなえた理想の暮らしメインイメージ 目標は、海外で経験した“豊かな住まい”を東京に引き継ぐこと。約200平米のマンションとの出会いでかなえた理想の暮らしメインイメージ
人生を愉しむ |豊かな暮らしを訪ねて

目標は、海外で経験した“豊かな住まい”を東京に引き継ぐこと。約200平米のマンションとの出会いでかなえた理想の暮らし

住まいは、家族が多くの時間を過ごす場所。その時間が心地よく満たされたものであれば、人生はより豊かなものになる。私たち「R100 TOKYO」の企画した物件に暮らすオーナー家族は、実際どのように現在の住まいと出会い、どのような暮らしをしているのだろうか。さまざまな家族の住まいとライフスタイルをリポートする連載「豊かな暮らしを訪ねて」。1回目は、長年海外で暮らし、2018年に日本に転居した5人家族のAさん一家。海外と日本の住環境の違いを体感した夫妻が、日本での新たな生活に選んだ住まいと過ごし方について、話をうかがった。

  • Text by Mari Ohno
  • Photographs by Shinichi Miura

海外育ちの子どものために。環境を変えないように考慮した日本での住まい選び

約43畳あるゆったりしたリビング。広くとられた窓の外には木々の緑が見え、室内にいながらも自然を感じられる。

各国大使館やインターナショナルスクールなどが点在する国際色豊かな、東京・広尾〜麻布エリア。気品のある大きな戸建てや低層マンションなどが立ち並ぶこの住宅街に、Aさん一家が移り住んだのは約1年前のことだ。

それまで20年以上ヨーロッパで暮らし、海外生活が長かったAさん夫妻。3人の子どもたちは生まれも育ちも海外で、新たに始まる日本での生活に親として少なからず不安もあったという。できるだけ環境を変えないようにと、選んだのがこの地だった。

「海外で住んでいたのは郊外の一軒家。週末には庭の芝刈りをしたり、バーベキューをしたり。そんな暮らしを長くしていましたが、日本ではこのエリアで、都会的な生活をしてみようと思ったんです」(夫)

とはいえ、子どもたちのために緑のある環境も捨てがたかった。実際にWEBで物件情報を調べ、条件や予算の課題に直面すると、「都心をあきらめて緑豊かな郊外に住むか、緑をあきらめて都心に住むか」と何度も悩んだという。そんなとき出会ったのが、立地も緑も兼ね備えたこの物件だ。

譲れなかったのは、5人家族でゆったり暮らせる“広さ”

リビングでくつろぐ、穏やかで大切な時間。家具は帰国前に海外で購入したものと、この部屋に展示されていたものを一部買い取って組み合わせた。

住まいに選んだのは、築35年を超えるマンション。世帯あたりの床面積がゆったり確保された低層の小規模マンションで、住民同士の顔がわかることも気に入った。窓の外には緑が広がり、東京のど真ん中とは思えないほど奥行きのある景色。Aさん夫妻が描いていた、理想が詰まった家だった。

「子ども部屋が3つ必要だったので、広さは100平米以上が条件でした。でも物件を探していくうちに、150、200……と理想が膨らんでしまって(笑)。最終的に選んだこの家は約200平米。もともと外国人の居住者も意識したマンションなので、広々としているうえ天井が高いのも気に入りました」(夫)

室内は「R100TOKYO」が企画したコンセプトルームとして、すべて一新されたフルリノベーションの状態で購入。内装デザインも「雰囲気がすごく気に入った」そうだ。

「まだ海外にいる段階から家を探していたので、情報源はWEBのみ。でも、不動産の広告やWEBなどは写真が華やかだったり風景が合成されていたり、現実と異なることもあるように思っていました。ですが、この物件が載っていたサイトは、嘘がないというか写真と実物がほぼ同じだと感じました。内見したときにWEBに載っていた写真と感覚のズレが生じないというのは、遠方から家を探していた僕たちにはとても助かったんです」(夫)

購入時の間取りは3LDKだったが、主寝室と3人の子ども部屋のために4LDKへプランを変更。家具のほとんどは、インテリア好きの夫が海外で購入したものを搬入し、夢に描いていた住まいが完成した。

築年数の古さには抵抗がなかった。ヴィンテージマンションに感じた魅力とは?

グレー系のインテリアでまとめた主寝室。ベッドはクイーンサイズを選んでゆったり寝られるように。
主寝室の床は、足触りのよい絨毯になっている。
デスクは帰国前に海外で購入したもの。この部屋に合わせてみたら、壁のサイズにぴったり。

ところで、「建物の築年数はまったく問題なかった」というAさん。「ヨーロッパでは住まいを新築するという考えがほとんどなく、僕たちが住んでいたのも1950年代に建てられた家。日本は地震の問題があるので『新耐震基準』でないことは多少気になりましたが、このマンションはしっかりした構造だったことと、何より住民の方々が長く大切に住んでいこうとしている意識が感じられた」と購入時の決め手を語る。

小規模マンションゆえ、管理や維持にも大規模マンションに比べれば一世帯あたりの負担額は増える。けれども「お金がかかるのは大変だけど、大事に使っていくためには必要なこと」と、Aさんは理解を示す。それよりもこの趣のある雰囲気に、新しいマンションにはない代え難い魅力を感じたようだ。

部屋の内装も購入の決め手に。淡いグレーの壁が落ち着いた雰囲気を出し、家具とも相性がいい。
窓辺に置いた一人掛けチェア。外を眺めながらここでコーヒーを飲むのは至福の時間だ。
リビングの主役は、幅250センチのイタリア製ソファ。後ろの壁面収納には、テレビが収まっている。
壁に飾ったアートは、3点ともお子さんが描いた作品。小学生の作品とは思えないほどの完成度!
背が低めのソファやローテーブルを組み合わせたことで、家具の点数が多くても圧迫感のない空間に。

海外に住む前は、まだお互い独身で単身用のアパートに住んでいたというAさん夫妻。海外へ移住して実際の生活が始まると、当時の日本とは異なる住環境の違いに、驚きと気づきの連続だったという。

「私たちが移住した先の国では住まいをすごく大切にして、家具をひとつ選ぶにも、手軽に間に合わせる考えがなく、長く使えるものをじっくりと選ぶんです。日本より、住空間にお金をかける人が多いことに驚きました」(妻)

「建物が古ければメンテナンスが必要です。広い家に住めば電気代もかかる。でも、向こうではよいものをケアして住み続けるのが当たり前という感じなので、その感覚は鍛えられました。男性が庭の手入れや家の掃除をするのも一般的。愛着をもって住むことを、海外生活で学んだ気がします」(夫)

家での時間がいちばん好き。家族が集まる場所で得られる、日々の幸せ

お気に入りのエスプレッソマシン。このおかげで、家にいながらおいしいエスプレッソを楽しめる。

自宅の周辺には感度の高いレストランやカフェが点在し、生活を楽しむには十分な環境。「ここに暮らす前は、引っ越したらあちこち行きたいと思ったけれど、案外、家にいることが多いですね」と夫妻は話す。それほどに、快適だと。

広々としたリビングには、家族それぞれにお気に入りの場所がある。気付くと家族で集まって、思い思いの時間を過ごしていることも多いのだとか。夫はイタリア製のエスプレッソマシンで淹れた一杯を飲むのが毎日の小さな楽しみ。妻は「特別な友人が来る際は、出張シェフを呼んだりしています。子ども連れだと外よりもゆっくりできるし、窓の外の眺めもいいと好評です」と笑う。

そして内見時には気づかなかったそうだが、暮らしはじめて初めての春を迎え、ベランダ横の大きな木が桜だったことを知ったのも予想外のサプライズ。満開の時季は室内から花見を楽しむのも、Aさん一家の定番となりそうだ。

広々としたアイランドキッチン。左の棚は結婚時に入手したものを大切に使っている。家電は海外から持ち帰った器具が並ぶ。
大きなダイニングテーブルを配したダイニング。友人を招いて食事を楽しむことも多い。
ヨーロッパで集めていたグラスのコレクション。帰国時に大切に持ち帰ってきたそう。
リビングの一面の壁が、大容量の収納スペースになっている。キッチン付近の棚には食器類を収納。

海外生活が長かったせいか、住まいに対して大きく構える懐の深さが印象的だったAさん夫妻。もちろん上質なもの選びやセンスがひと役買っているのだが、そのひとつひとつは決して派手でもきらびやかでもない。愛用しているソファに腰掛け、雑誌をたぐる時間。エスプレッソを一杯ずつ淹れ、香りを楽しむ時間。少しずつ買い足したお気に入りの食器で友人たちにお茶をふるまう時間……。

本当に気に入ったものを丁寧に選ぶのは、住まいについても変わらない。広々としたリビングに置かれたソファやテーブル、そこから眺める大きな窓の外に広がる風景。好きなもの、気持ちのいい空間に囲まれて過ごす時間の積み重ねが、ゆったりとした幸せな暮らしへとつながっていく。上質なものを見極めた本当の意味の“ぜいたくな住まい”とは、こういうことなのかもしれない。


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