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ヤン・ヴォーの、その意味を問いかけるカリグラフィ。
山本憲資の「今、手元に置きたいアート」

ヤン・ヴォーの、その意味を問いかけるカリグラフィ。

山本憲資が、自身でリアルに購入した、 今注目のアーティストの旬なアート作品を紹介。
ヤン・ヴォーの父が”描いた”ある手紙の模写。

この数年、日本でもギャラリーやアートフェア、アートイベントの数も増え、アートに接する機会が増えたという人も少なくない。それに伴い、自宅にもアートを飾りたい、手元に置きたいというニーズも着実に増え、日本のコンテンポラリーアートのマーケットも年々順調に拡大している。
現代アート好きとして知られる、スマホ収納サービスのサマリーポケットを展開するスタートアップ『Sumally (サマリー)』のFounder&CEOの山本憲資(けんすけ)氏も例外ではなく、昨年夏に軽井沢に拠点を移してから作品を購入する機会が増えてきたという。購入しているものは、数万〜数十万円以内のサラリーマンでも手の届く価格帯のものも多く、今後もコンスタントに買い続けたいと話す。本連載では、山本氏が購入した”手の届く”アートとアーティストとのストーリーを自身が綴っていく。第10回の今回はヤン・ヴォーのユニークなピース。

Text by Kensuke Yamamoto
Edit by Fumi Itose

幼少期に難民としてベトナムを脱した過去を持つ、若き世界的アーティスト

第10回の今回紹介するのは、ヤン・ヴォーの作品です。ヴォーは、1975年にベトナムで生まれ、4歳のときに父の手作りボートで家族でベトナムを脱出し、デンマークの貨物船に救助されます。その後、コペンハーゲン王立美術学校で学び、現在はメキシコ・シティとベルリンにスタジオを持っています。2013年には30代ながらニューヨークのグッケンハイムで個展を開催するなど、若くしてすでに世界で活躍しているアーティストです。

2021年には大阪の国立国際美術館でヴォーの個展『ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ』が開催され、作品をしっかりと観たのはそのタイミングがはじめてでした。ボートピープルというバックグラウンドから制作された、滲む権力や資本主義に対するアイロニカルなスタンスのインスタレーションは鮮烈に僕の心に残り、その年のベストエキシビションのひとつとなりました。

英語がまったくわからない父親の英字カリグラフィ

宛名もカリグラフィ的に書いてくれ、うちの小屋『Pleo Hut』宛に届いた。

上述の展覧会において、英語のわからないベトナム人にとって、英字のカリグラフィを描くという仕事が、ベトナムでは良い仕事になっているというを状態をアイロニカルに示唆した大きな作品が展示されていたのですが、それは実際に英語のわからない彼の父フン・ヴォーが描いたものでした。

その作品が印象に残っていたのですが、日本の彼の所属ギャラリーであるタケ・ニナガワギャラリー経由でそのカリグラフィ作品をオーダーできると知り、お願いしたものが上の作品『1861年2月2日』です。

この作品は、ベトナムのフランス植⺠地化が始まる前夜に、ベトナム王朝によって斬首刑に処されたフランス人のカトリック宣教師ジャン=テオファン・ ヴェナールが、父に当てた最後の手紙をフン・ヴォーが模写したもの、とのこと。作品のタイトルはその宣教師が処刑された日となっています。

模写されたこの手紙と、自分の名前と小屋の名称が入った封筒をセットでこれから額装して、部屋に飾ろうと考えています。結果的に、実に嬉しいユニークピースとなりました。

デンマークから世界へと

差出人の欄には、デンマークの住所とフンさんの名前が。

デンマークではカリグラフィの仕事がなくなってしまったことで、ヤン・ヴォーがお父さんに仕事を提供するために、自身の作品制作の業務を発注しているのでは、という想像をしています。しかしながらただお金を渡すだけではなく、作品制作業務を発生させ、その対価を渡すというかたちで家族を養っているスタイルが、難民というバックグラウンドから通じているところもあるように思えて、そこもまた彼の魅力のひとつなのではという気が個人的には強くしているのです。

また、この連載を書いているタイミング(2022年8月下旬)で、表参道のスパイラルでカンボジア人アーティストのキム・ハクの『生きる』(8月28日まで)展が開催されていました。彼のクメール政権から逃れたカンボジアの難民たちの家族の肖像や、私物を撮影した作品群から放たれる静かなメッセージにもまた力強い存在感があり、ヤン・ヴォーの作品が持つエネルギーに近いものを感じました。9月には横浜にも巡回するそうなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

Information

キム・ハク 「生きる IV」
会場:高架下スタジオ Site-Aギャラリー(神奈川県横浜市中区黄金町1-6番地先)
会期:2022.9.9(fri)ー 9.25(sun) <会期中無休>
開館時間:11:00-18:00
⼊場料:無料
展覧会関連サイト
https://www.spiral.co.jp/topics/spiral-garden/kim-hak_alive_iv
展覧会公式SNS
https://www.instagram.com/kimhakaliveiv/
https://www.facebook.com/KimHak.Alive4/?ref=pages_you_manage

profile

山本 憲資

1981年生まれ、神戸出身。広告代理店・電通、雑誌『GQ』編集者を経て、Sumallyを設立。スマホ収納サービス『サマリーポケット』も好評。音楽、食、舞台、アートなどへの興味が強く、週末には何かしらのインプットを求めて各地を飛び回る日々。「ビジネスにおいて最も重要なものは解像度であり、高解像度なインプットこそ、高解像度なアウトプットを生む」ということを信じて人生を過ごす。

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