人気ヴィンテージマンションに共通する3つの要素
R100 tokyo は、都心の好立地にある100㎡を超える物件を2013年のブランド設立以来 400件以上、扱ってきました。いずれも非常に希少性が高く、立地や空間など個性豊かな住戸ばかりです。私たちはそのオリジナリティを解き明かし、本質的な価値が表現される暮らしを実現するリノベーションを行い、多くの住み手の方々に届けてきました。
私は前職も含めると、30年以上マンション市場を見続けてきました。20年ほど前までは、日本の不動産市場で最も価値が高いのは新築時でしたが、徐々に同エリアでの新築価格と遜色ない価格で取引されるヴィンテージマンションが登場するようになったのです。
そこに共通していることは3つあり、希少な好立地にあること、事業者や建築家の「いいものをつくりたい」という強い思いが随所に表れていること、そして盤石のセキュリティと管理体制が整っていることです。
現在のヴィンテージマンションの価値は、予想していたよりはるかに高まっています。ここ数年は唯一無二の希少性からかなり評価も高まっており、それでも市場に出るとすぐに売れてしまうという状況です。
ランキングを発表。会員が推すヴィンテージマンションの魅力とは
なぜ、ヴィンテージマンションがここまで人々から支持されるのか。その背景を探るために、R100 tokyo の会員様にアンケート調査を行いました。目的は、人気のヴィンテージマンションとその背景にある「目に見えない価値」を解き明かしていくこと。これは、真の価値を可視化し再定義することになりますし、次世代へつなぐ価値を見出し、向上させていくことにもつながります。
それでは、会員様が選んだ、住みたいヴィンテージマンションのランキングを発表します。
この結果を見ると、「広尾ガーデンヒルズ」と、「三田綱町パークマンション」は別格の存在であることがわかります。ブランド力があり居住性の高さが広く知られているからでしょう。意外だったのは、3位以下です。下記に詳述しますが、私が「2004年シリーズ」と定義している2004年築のマンションが、「ザ・ハウス南麻布」から続けて3つランクインしています。
立地にも注目です。麻布、青山、赤坂といった東京一の高級住宅地のみならず、市ヶ谷、代官山 、代々木上原、世田谷区(瀬田、玉川)などのヴィンテージマンションが注目されていること。周辺の不動産事情を見ると、ヴィンテージマンションを中心に、エリア全体の価値が上がっています。
続いて、上位10件のヴィンテージマンションについて、詳しくご紹介します。
1位 広尾ガーデンヒルズ
都心ヴィンテージマンションの代名詞的存在
圧倒的な知名度を誇る「広尾ガーデンヒルズ」は、1982年から分譲が開始されました。約5万7000㎡の広大な敷地に全15棟、総戸数1181戸を擁する大規模マンションです。設計は三菱地所と圓堂建築設計事務所が行い、機能と美しさを兼ね備えたタイル張りの建物と、敷地内の森、けやき並木の調和が見事。都心にありながら緑が身近にある暮らしを提案した「広尾ガーデンヒルズ」は、高級分譲マンションの概念を一新した、ターニングポイントともいえる物件です。
2位 三田綱町パークマンション
港区の一等地に佇む、タワーマンションの先駆け
「三田綱町パークマンション」は、1971年完成当時、日本初の高層マンションとして話題になりました。三井家の迎賓館であった「綱町三井倶楽部」に隣接し、豊かな緑に囲まれています。1フロア最大4戸、全住戸が角住戸というゆとりのあるつくりで、エントランスには車寄せスペースも。19階建ての白く輝く外観も気品があります。
3位 ザ・ハウス南麻布
由緒正しい立地と贅を尽くした住環境が魅力
「ザ・ハウス南麻布」は、西武鉄道の創業者・堤 康次郎の屋敷であり、セゾングループの迎賓館だった「米荘閣」の跡地に立っています。地上10階建て、総戸数119戸のレジデンスの敷地内には、米荘閣時代からのバラ園があり、共用部にはパーティールーム、アートギャラリー、ゲストルーム、ゴルフレンジも。管理もメンテナンスもきめ細かく、私が「2004年シリーズ」(次回解説します)と定義したマンション群のなかでも白眉の存在です。
4位 パークマンション千鳥ヶ淵
一流の匠が仕上げた特別な空間が人気
皇居の豊かな緑と千鳥ヶ淵を借景とする「パークマンション千鳥ヶ淵」も「ザ・ハウス南麻布」と同じ2004年に完成しました。デザイン監修はその土地の魅力を引き出すことを得意とする建築家・内藤 廣さん。共用部の内装には、日本の石工、左官職人、漆職人を起用しています。エントランスからエレベーターホールに進む間に、江戸から現代につながる歴史絵巻を観賞できます。
5位 オパス有栖川
美しい庭園に囲まれた、豊かな暮らしを体感
南麻布のヒルトップにある「オパス有栖川」。
6位 麻布霞町パークマンション
荘厳な存在感を放つ、麻布を代表する館
麻布エリアの三井家ゆかりの敷地に立つ「麻布霞町パークマンション」。壮麗な門構えはまさに「館」のたたずまい。敷地面積約6800m2という大規模開発ならではのランドスケープや、敷地内には樹齢90年を超える樹木や並木道など、落ち着いた環境が整っています。
7位 赤坂氷川町パーク・マンション
歴史あるエリアを上質に彩る、17戸の瀟洒な邸宅
総戸数17戸、地上5階建てと小規模な「赤坂氷川町パーク・マンション」は、閑静な邸宅街に溶け込むように存在します。大きな庇のエントランスや、広いロビーから見える日本庭園ほか、上質な暮らしを体現したようなマンションです。専有面積はゆとりがあり、都心では希少な約200㎡近い住戸もあります。
7位 瀬田ファースト
緑豊かな高台と一体化した、端正なデザインが秀逸
R100 tokyo がリノベーションした住戸も多い「瀬田ファースト」。二子玉川の緑豊かな斜面地に立つ世田谷の邸宅街の景観と一体化した白亜のマンションです。ゆとりある空間と、時間や四季の移ろいを感じる眺望が魅力でしたが、一時期、法人所有が多く住民が少ないという状態に。そこで、2013年に R100 tokyo が複数戸を取得。管理組合や管理会社と協力しながら、共用部分のリノベーションを実施し、豊かな暮らしが営まれる建物に再生したのです。このプロジェクトは、2013年のグッドデザイン賞を受賞。現在も継続して高い人気を誇っています。
7位 ディアナガーデン代官山
カルチャーの発信地と調和する、洗練された意匠が注目の的
明治以降、要人たちが居を構えた由緒正しい邸宅街・代官山には、現在、大使館や高級マンションが立ち並んでいます。なかでもゆとりある暮らしを叶えるのは、平均専有面積150㎡以上の「ディアナガーデン代官山」。高級レジデンスを具現化した、洗練された外観や共用部の空間も見事です。
7位 ドムス南麻布
ヨーロッパ建築と日本の美意識が融合したデザインが特徴
都心の一等地のみに立つ、1972年に誕生した高級レジデンス・ドムスシリーズ。全40戸未満の落ち着いた建物が多く、ドムスカラーと呼ばれる赤茶タイルの外観で知られています。1993年に完成の「ドムス南麻布」は、細部まで贅を尽くした建築が特徴。ゆとりある間取りの住戸、共用部には屋内プールやフィットネスコーナーがあり、日本庭園も有しています。
マンションと住む人との間にある「濃密な物語」も価値に
R100 tokyo は、ランキングに登場する複数のヴィンテージマンションのリノベーションを手がけてきました。実際に建物内部に入ると当時の一流の建築家が設計プランを立て、施工者は技術を駆使し、情熱と丹精を込めてつくっていることがわかります。また、時間が経っても丁寧に管理され、住民に愛されていることも感じられます。
さらに現在では考えられないほど贅を尽くした建材を使用し、凝ったデザインが施してある空間にも目を見張ります。今では建築コストがかかり、避けられてしまう間取りも多いですが、内部を見て「これは作品の領域に達している」と直感する建物も目立ちます。販売する側も自信と誇りをもってお客様に勧めてきたのでしょう。ですから、新築時の人気も高いものばかりです。
立地や建物のほか、選ばれる理由はほかにもあるはずです。ここで、会員様がヴィンテージマンションを選ぶ理由のアンケート結果を紹介します。
アンケート結果から、まずは唯一無二の「立地」と「環境」。次に「資産性」と「管理状態がいいこと」が重視されていることがわかりました。これらの要素が重なると資産性を保てる、ということが広く理解されているように感じます。
人気マンションランキングに登場した建物の多くは、常に良好な管理状態を維持している物件ばかり。清掃や保全は行き届き、庭や植栽は手入れがされています。また、多くが24時間有人管理(スタッフ常駐・巡回)と、機械監視も導入しており、セキュリティが強固なため、安心して暮らせます。
住み心地がいいから、3世代にわたり住み継いでいる方、同じマンション内に別の部屋を求める方も多いです。マンションと住む人との間に濃密な物語があり、時間がそれを磨き上げていく。そこで形成される品格も、新築にはない価値となり多くの人を魅了しています。これはヴィンテージマンションがある邸宅街を歩くだけでも感じますので、興味がある方はぜひその価値を体験してみてください。
次回は、圧倒的人気を誇る「広尾ガーデンヒルズ」について、そして私が提唱する「2004年シリーズ」の魅力を深掘りしていきます。
※参考:R100 tokyo the club 会員対象「住みたい東京都心のヴィンテージマンションアンケート」(調査期間:2025年12月12日〜2026年1月26日)
profile

R100 tokyo ブランド企画推進担当部長。大手デベロッパーを経て、2005年の創業からリビタに参画。都内の希少性が高い物件のリノベーションプロジェクトを担当。 特に都心のヴィンテージ物件を多く手がけ、2013年に「瀬田ファースト」プロジェクトにてグッドデザイン賞を受賞。歳月を重ねるほど輝きを増す、住居の価値を創造し続けている。
参考
『マンション60年史: 同潤会アパ-トから超高層へ』高層住宅史研究会編 住宅新報出版
『日本の住文化再考 : 鷗外・漱石が暮らした借家からデザイナーズマンションまで』鈴木紀慶著 鹿島出版会
広尾ガーデンヒルズ
▶︎https://www.hiroogardenhills.jp/
一般社団法人日本建設業連合会 広尾ガーデンヒルズ - HIROO GARDEN HILLS
▶︎https://www.nikkenren.com/kenchiku/pdf/413/0413.pdf
三井不動産レジデンシャル 沿革
▶︎https://www.mfr.co.jp/company/history/
綱町三井倶楽部
▶︎https://www.tsunamachimitsuiclub.co.jp/
パークマンション千鳥ヶ淵
▶︎https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2003/0425/
2005 グッドデザイン賞 パークマンション千鳥ケ淵
▶︎https://www.g-mark.org/gallery/winners/9d43135e-803d-11ed-862b-0242ac130002
麻布霞町パークマンション
▶︎https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/1999/0113/
赤坂氷川町パーク・マンション
▶︎https://www.31mansion.com/akasaka-hikawacho_parkmansion/
佐藤秀 ドムス南麻布
▶︎https://www.satohide.co.jp/works/09/09-05.html


