大学院を卒業したての、期待大の若手アーティスト
第7回の今回紹介するのは、石井佑果さんのペインティングです。彼女の作品をはじめてみたのは昨年のこと。インスタグラムでたまたま彼女の展示の告知を見たのがきっかけでした。うまく予定があわずその展示には伺えなかったものの、インスタ上で彼女のポートフォリオを拝見し、以来ずっと気になっていたのでした。
彼女の作品を実際に初めて見ることができたのは、今春の東京藝術大学大学院の卒業制作展のタイミングでした。それまでにも何度かメッセージのやりとりはさせてもらっていて、展示の案内をもらい楽しみに伺いました。
実物のペインティングもやはり好みのテイストで、彼女の作品を手元に置きたい気持ちが、より大きくなりました。インスタのプロフィールにComposer(作曲家)と書いているのですが、彼女の作品には五線譜や音符など、音楽に関わるモチーフが頻繁に出てきます。例えばショパンの曲名と鍵盤が描かれた作品があったりと、クラシック音楽の世界がエッセンスとして内包されているところにもまたシンパシーを感じました。
ちなみにこの時、、南谷理加さんという藝大大学院に在籍中の作家とたまたま石井さんの展示スペースでお会いしました(彼女たちは初対面でした)。南谷さんの作品も魅力的なものが多く、僕は藝大内の彼女のアトリエにお邪魔したこともあったのですが、自分が気になる作家同士が初対面からそれなりに通じ合ったやりとりをしている様子になんだかわくわくして、そんな偶然に巡り会えることもまたアートの愉しみのひとつなのかもしれないな、と。南谷さんの作品も、そう遠くないうちにこちらでも紹介できればと考えています。
我が小屋『游獅山荘』にぴったりなペインティング
上でも書いた音楽モチーフの作品にも惹かれつつ、彼女のポートフォリオの中で僕が一番気になった作品は、5体のライオンを描いたペインティングでした。
僕は獅子座で、軽井沢のうちの小屋の脇にはせせらぎが流れていることから、あそびライオンの小屋という意味で『游獅(ゆうし)山荘』という名前を小屋につけています。
そんな獅子に何か縁のある僕としては、獰猛(どうもう)感があまりないこのゆるい獅子のタッチが実に好みで、見えるような見えないようなライオンたちの表情にもまたぐっときます。それほど緊張感のないライオンたちのポーズと背景の景色にもどこかヌケ感があって、小屋でリラックスして過ごすときにそばにあるのにぴったりの作品です。
先日、アート好きの知人に彼女のことを話したら、植物モチーフのなかなか大きめの作品をさっそく購入していて、僕の周囲でもじわじわと佑果ファンが増えてきています。気に入った作品が知人の手元にあると、いつでも見られる気がして嬉しくなりますよね。7月には東京の日本橋三越で2人展があるようで、気になる方はぜひ足を運ばれてみてください。
Information
日本橋三越本店の本館6F『MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY』で7月に彫刻家の丸山太郎さんと2人展を開催予定。詳細の会期等は6月中旬に発表予定とのこと!
MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY
https://www.mistore.jp/store/nihombashi/shops/art/contemporary.html
石井佑果 Instagram
https://www.instagram.com/yuuuka141/
profile
1981年生まれ、神戸出身。広告代理店・電通、雑誌『GQ』編集者を経て、Sumallyを設立。スマホ収納サービス『サマリーポケット』も好評。音楽、食、舞台、アートなどへの興味が強く、週末には何かしらのインプットを求めて各地を飛び回る日々。「ビジネスにおいて最も重要なものは解像度であり、高解像度なインプットこそ、高解像度なアウトプットを生む」ということを信じて人生を過ごす。
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