2つの万博をつなぐ場所から、「人間」を考える
鈴木:「Study : 大阪関西国際芸術祭」(以降、Study)は2023年にも訪れたのですが、今回のStudyは万博と連動し、規模・内容ともとても充実したものになっていますね。24の国と地域・93組のアーティスト・7組のキュレーターを迎え、大阪・関西万博会場(夢洲・ゆめしま)はじめ、約11の会場で展開しています。
岸本:Study自体は万博を見据えて2022年から大阪を舞台に開催してきました。今回は大阪・関西万博会場(夢洲)をはじめ、安藤忠雄設計の大阪文化館・天保山、黒川紀章設計の大阪府立国際会議場(中之島)、西成・船場地区などで万博と同時(会期は地区それぞれに設定)に開催されています。
鈴木:どこも特徴的な展示をしているのですが、まず、ここ船場エクセルビルにやってきました。
遠山:2025年2月のメディア発表会で岸本光大さんに会い、岸本さんがキュレーションした展示を見てみたいと思いました。ところでこのビルは、「大阪万博」(1970年)の前年の竣工で、近々解体を予定していると聞いたのですが、当時と今回2つの万博を時間的につないでいると言えるよね。
岸本:おっしゃるとおりです。
鈴木:このビル、窓が横長にとても広く取られていたり、現代の耐震基準ではあり得ないような設計。高度成長期の総仕上げといえる前回の大阪万博の直前、ここに誕生したのですね。大阪を南北に走る御堂筋線と、東西に走る中央線という2つの大動脈が交差する本町駅から徒歩4分のところにあるのも意味ありげです。中央線の西の起点が今回の万博の会場「夢洲」で、御堂筋線をずっと北上すると前回の万博の会場「千里」にあたるわけで、空間的にも2つの万博がここで交錯していますね。
岸本:そうなんです。立地的にも必然性がある場所です。
遠山:Studyは会場ごとにテーマがあるようですが、ここ船場エリアの「Re: Human─新しい人間の条件」のテーマは?

岸本:テクノロジーの急進、グローバリズムの功罪、揺らぐ価値観のなかで、新しい「人間らしさ」の可能性を探ることが基本的なテーマです。『人間の条件』というと哲学者ハンナ・アーレントの著書がありますし、あとで知ったのですが、数々の展覧会を手掛けられた南條史生さんも、1994年に青山のスパイラルと芦屋市美術博物館で「人間の条件展 私たちは、どこへ向かうのか。」*という展覧会を企画されています。30年の時を経て、そこともリンクすれば、より広がりが生じると思います。
*アルギエロ・ボエッティ、ダムタイプ、マシュー・バーニー、椿昇、ビル・ヴィオラ、リン・フォークス、ギルバート&ジョージ、荒木経惟、柳幸典、エド&ナンシー・キーンホルツ、そしてシュウゾウ・アヅチ・ガリバーら計33組が参加。
鈴木:新しい人間の条件。具体的に何を思いましたか?
岸本:今この時代にそのことを考えていくと、“フレキシブルであること”がすごく大事な気がします。「不確かな時代」と呼ばれる現代にあって、一本、筋を通し続けることはかなり難しいですし、そのことにどこまで意味があるのかとふと思うことがあります。それぞれ曲げられない部分もあるとは思いますが、常に柔らかくいること、それを持ち続けることが幸福や理想に向かううえで大切なことではないかと。また、フレキシブルで流動的であることは、今回のアーティストたちに共通している「手つき」かなと感じています。
遠山:わかります。ビジネスも同じで、最近よく私は「仕事は小さいほどやりがいがある」みたいなことを言っていまして……。小さければ複数を同時にできる。高度成長期みたいに産業が強力なときは、プロジェクトの規模自体が価値を持ったかもしれないけれど、今は小さいやりがいみたいなものを2〜3個、くるくる回しながら生きていくのがいいなと。
岸本:みんな同じ方向を向いて進むことが、今となっては幻想のようにも思えるんです。今回は万博という国家的事業がすぐ近くで開催されているわけですが、社会が一方向に傾いたとき、別の方向を向く価値観もあるという提案をするのが、アートの意義ではないかなと僕は思います。それは反駁し合うという意味ではなく、むしろ互いに補い合うことではないかなと。
鈴木:高度成長の波に乗った団塊の世代が区切りをつける流れと、AIのような新しいテクノロジーが次々に出てきているという流れ、互いの潮の流れが混ざって、今、また興味深いものも生まれていますね。
遠山:例えば最近はChatGPTが私のことをかなり理解してくれています。バンド活動のなかで歌詞を書くときも一緒に考えながらやっているのだけれど、この間は「踏み外した足」という言葉がChatGPTから出てきた。自分が思い描いていた世界みたいなものから、たまたま踏み外しちゃったけれど、そこから展開していくものだってあるなと妙に納得しました。
鈴木:踏み外すって、必ずしもネガティブじゃないのかも。そういえば、あの真面目なアーティスト、森村泰昌さんの本に『踏みはずす美術史』がありますね。常識を解体しよう、考えることをいったん棚に上げよう。そこから何が見えてくるかを課題にしている。
アーティストたちのまなざしを通して見る「人間」
鈴木:では、それぞれの作品を見ていきましょう。シュウゾウ・アヅチ・ガリバーさんのベッドの作品《甘い生活/乙女座》。この方は1947年生まれですね。60年代からハプニングなどの美術活動を始め、関西拠点の美術家集団〈The Play〉への参加や、オノ・ヨーコや武満徹なども加わっていた前衛芸術運動〈フルクサス〉との交流を経て、90年代以降は主にヨーロッパで活動しています。ちょっと謎めいています。

遠山:この作品は再制作ですか?
岸本:いいえ、オリジナルです。滋賀県出身の方で、作品はドローイングやインスタレーション、パフォーマンスなど非常に多岐にわたっています。身体と存在のありよう、生命と記号の関係性、神羅万象の形を巡る思考は、多様な表現形式を駆使し、人間の存在や自明としてきた世界の秩序を一貫して問い直しています。
鈴木:1960年代生まれの村上 隆、石原友明、ヤノベケンジ、中原浩大たちの1個上の世代ですね。考えたら村上以外はみんな関西出身だ。

鈴木:金氏徹平さんは1978年、京都生まれ。マンガに描かれた一部分とか、プラモデルやフィギュアのパーツを取り出してつなぎ合わせ、既存の文脈を読み替える、コラージュ的手法による作品が有名ですね。31歳のとき、横浜美術館で個展を行っています。
岸本:今回の金氏さんの作品は、新作・旧作いろいろ混ざっているのですが、それぞれに「〇〇パビリオン」という題名がついています。「人間のパビリオン」「抽象彫刻のパビリオン」とか。万博を意識したものではあるのですが、脈絡のない瞬間的なアイデアの集積で、万博とは無関係ともいえる、極めて個人的なパビリオンという設定が面白いと思います。今回、万博会場内にも金氏さんの野外作品があります。
遠山:金氏さんは、2021年にここ船場エクセルビルで、「拡張するメディウム展」として日比野克彦さんたちともグループ展示をしていたのですね。

鈴木:これは大きな絵ですね。𠮷田桃子さん。1989年、兵庫生まれか。
岸本:今回一番大きいものは300号の大作です。𠮷田さんはリアルなのか、CGなのか、アニメなのか、アバターなのかよくわからない絵をずっと描いていて、描かれる人物のジェンダーや国籍も不明です。ここにくる前、この絵はBEAMSのショップに展示されていたんです。今、とても人気のある作家のひとりです。
遠山:どこか儚(はかな)げだし、「現代の若者の肖像画」という感じもしますね。

鈴木:石原友明さんは1959年、大阪生まれ。80年代から活動していて、僕はその頃からずっと見ています。彼は制作行為を「ものを身体化すること、身体をイメージ化すること、イメージをもの化すること」を繰り返すプロセスと捉え、「からだの有限性を拡張する試み」として活動を展開していますね。東京都現代美術館も作品を所蔵していて、常設展などにもときどき出ています。
岸本:セルフポートレートを含む多様な表現形式を駆使した作品群は、芸術や知覚にまつわる根源的な問題に迫っています。身体のパーツや髪の毛をスキャンしてデータ化し、それを作品に取り込んでいます。抜け落ちた髪の毛もベジェ曲線のデータにする。それは単にイメージでしかない状態だけれども、それでも“自分”と呼べるのかどうかと問いながら、さらに変化を加えていく。最終的にはペインティングのような形になっています。
遠山:自分の身体のパーツをバラバラにして積み上げているんだね。縮小拡大しながら。「死から生への可逆性」というのも頷ける。

鈴木:川田知志さん、1987年、大阪生まれ。大学でフレスコ画を学んだそうですが、これはどういう作品なのでしょうか?
岸本:今回のこの絵の色や形は、岡本太郎のパブリックアートにインスパイアされたものです。壁にフレスコ画として制作したものの表面を、ストラッポという技法で、ペリペリペリっと剥ぎとってきて、布に移しています。ストラッポは、本来壁画であるフレスコ画を持ち運びできるようにするために、表面の層だけを剥がして他の支持体に移し替える技法です。この川田さんの作品は、壁画に膠(にかわ)を塗って、その上に和紙や薄布を貼りつけ、それを剥がして新しい布の上に接着しています。
遠山:まるで絵が盗まれて別のところに移されたような感じだね。岡本太郎が元ネタになっているのも万博に関連する展覧会として意味がありますね。
岸本:写真家の金サジさんは1981年、京都府生まれ、京都府在住。コリアン・ディアスポラ(離散・移民コミュニティ)としての身体的・精神的なアイデンティティの揺らぎを出発点に活動を続けています。演出写真の技法や特殊メイクを用い、自身の創作物語を作品として表現しています。
金さんの作品は撮影ができなかったので、ぜひ現地で見てほしいですね。

鈴木:畑 祥雄+江夏正晃+江夏由洋のコラボレーション作品《奇跡の森 EXPO ’70―生成AIによる映像Ver.2(映像インスタレーション)》は1970年の大阪万博がモチーフですね。
遠山:生成AIによる映像のインスタレーションとアンビエントミュージックがまた別の大阪を映し出しているのですね。
岸本:はい、こちらはAIによって映像化された50年後(2070年ごろ)の「万博の森」を見せてくれています。前回の大阪万博のあと、更地になったところに都市公園が建設されました。これがいわゆる「万博の森」です。畑さんはそれを2021年から撮影しています。森が自律的に循環していくためには50年から100年かかるといわれているので、まさに今、鳥や虫が戻ってきて、生物多様性が復元されていくところ。先の万博後、跡地をビジネスセンターにするという案もありましたが、生態学者・民族学者の梅棹忠夫さんや、造園家・環境学者の吉村元男さんが中心となり、30年後の森をつくろうという案を打ち立てました。そして現在に至ります。

遠山:「釜ヶ崎芸術大学」(以降、釜芸)も参加していますね。彼らの本拠地である西成区の釜ヶ崎にも行ったことがありますよ。今回は膨大な量の書の作品が部屋を埋め尽くしていますね。
鈴木:僕も本拠地に行ったことがある。釜芸は「ヨコハマトリエンナーレ2014」に参加していたときにも見ました。このときは大阪出身の森村泰昌がヨコトリの芸術監督で、釜芸を紹介したんですね。
岸本:芸術大学という名前だけど、いわゆる大学ではなくて、西成の地元の人や、旅行者も自由に参加できるイベント、セミナーを毎年80~100も開催している市民大学です。基本的に参加費は無料かカンパ制で、NPO法人が運営しています。創設者は詩人でもある上田 假奈代さん。釜芸との出合いからアート活動を始めた坂下範征さんと、森村泰昌さんのコラボレーションでつくられたゲストスペース《Our Sweet Home》は今回「Study」の西成地区でのツアーで限定公開されています。
ローカルで生まれた着眼点、「おもろい」か「おもろない」か
遠山:ここの展示に限っていえば、関西出身のアーティストが多いですね。
岸本:そうですね。そういうミッションを「Study」の総合プロデュース側からいただいて、それも面白いなと思いました。万博というグローバルなお祭りの横でローカルの視点を見せていくというのはすごくありだし、大事なことだと思ったんです。
遠山:関西のアーティストしばりにすることで、表に出てきた特徴はあるのですか?
岸本:あくまで僕の個人的な眺めなのですが、関西だと、作品を見る側に「おもろい」か「おもろない」か、という評価基準があるように感じています。その「おもろい」はいわゆる「ファニー」ではなくて、「新しさ」や「インタレスティング」の意味合いかもしれないし、「斬新なもの」をはらんでいるとか、そういうことです。
遠山:独り言ではなく、作品と見る側のコミュニケーションが成立するってことなのでしょうね。
岸本:例えば「かわいい」って言ったとき、日本人全体が共有している微妙なニュアンスや感覚ってありますよね。それに似て、関西の「おもろい」か「おもろない」には、細かいニュアンスが含まれていると思っています。僕が京都市立芸術大学で授業を受けていたときも、その言葉は飛び交っていたなと。

遠山:岸本さんも、おもろさを意識している?
岸本:どうなんでしょう(笑)。作り手としてあえて意識する感覚はないですが、おもろくありたいとは思います。
鈴木:現代美術にそういうローカリティが表れるのってあるんだなぁ。日本画には明らかにあるんですよ、京都画壇かそれ以外かみたいな。
遠山:結局、現代美術だって関西勢は強いよね。
岸本:そうですね。特に80年代以降、引っ張っていた部分はあるかもしれないですね。
鈴木:具体美術協会(前衛画家・吉原治良を中心に1954年に兵庫県芦屋市で結成された団体)あたりからずっとですよ。2000年前後にまた、森村泰昌、ヤノベケンジ、名和晃平、束芋たちがわっと出てくる。
遠山:逆に言うと、関西の人が東京の現代美術を見ると「なんかおもろないな」みたいに感じる?
岸本:いえ、そんなことはないですよ(笑)。「おもろい」「おもろない」だけですべてを測ることはできないと思いますし、「おもろい」は上辺だけの面白さだけではなく、結局中身の問題でしょうから。
遠山:背景や文脈といったコンテクストの問題だね。
岸本:ええ、人が面白さを感じるのって、おそらくコンテクストに好奇心を刺激するものや新しさが加わったときだと思うんです。
鈴木:今日はキュレーターの岸本さんのお話を伺いながら鑑賞するという贅沢な体験をさせていただいたので、いっそう「おもろさ」を味わえたように思います。どうもありがとうございました。
「人間らしさ」はどこにある? かたどることで問いかける
鈴木:別の会場である大阪文化館・天保山に移動してきました。この建物は大阪を活動の拠点にする建築家・安藤忠雄さんの設計です。かつてサントリーミュージアムだったときは、僕も何度か来ていました。
遠山:今ここでは、「リシェイプド・リアリティ:ハイパーリアリズム彫刻の50年」という展示が催されています。人体(そこから派生した生物も含む)のリアリズム彫刻の展覧会です。約9年前から海外を巡回していた展覧会で、日本初開催だそうです。
鈴木:マウリツィオ・カテラン、ロン・ミュエク、パトリシア・ピッチニーニという作家は現代アートファンにもなじみがありますね。いろんな形の人間像があって、未来につながっていくような身体感であるとか、人間観みたいなものを考える場所になっていますね。
遠山:一面的なメッセージを持っているわけではなくて、それぞれの作家が個々の視点で「人間」に肉薄していますよね。やはり人間は人間を描いてきたし、これからも描き続けるのでしょうね。そこには少なからぬ希望もあるんだと思います。
「人間」を身体とコミュニケーションで描くライブ
遠山:この芸術祭のイベントとして、大阪文化館・天保山でライブパフォーマンスを行いました。私たちのバンド「新種のImmigrationsB」が中心になり、立花ハジメさん、jan & naomi、.jvkn(ドットジュカン)などにお声がけし、ライブパフォーマンスを企画したんです。DJはKAN TAKAGI、K.Motoyoshi®|モトヨシカツヤ、という豪華な面々。
鈴木:大阪湾を背にしたロケーションも最高でしたね。ステージの後ろにときどき帆船が通過したり、夕日が沈んだり、皆さんのパフォーマンスも相まって素晴らしいシチュエーションでした。.jvknはアーティストの立石従寛さんで、以前、この連載にも出てくれたことがありましたね。そのときは従寛さんの越境的なアート活動の一端を伺いました。
(https://r100tokyo.com/curiosity/talk-art/arttalk_vol014/)
遠山:今回は「Study」全体のテーマ「人間」と連動して、見事なステージをやってくれました。いつものようにたった1台のパソコンで。


.jvkn:今回のStudyでは、もともとパブリックアートで美術作品を出展する予定だったのですが、諸々の事情でなくなってしまい、歯がゆい思いをしているところにお声掛けをいただいたので、音楽で参加できたらなと思いました。
鈴木:美術家として活動されているけれど、音楽でも活動しようと思ったのはどうしてですか?
.jvkn:実は楽曲提供などの作曲活動はずっと継続していたんです。ただ、フロントマンとしてパフォーマンスするのは、最近何十年かぶりに再開したところで、しばらくブランクがありました。正直なところちょっとしたトラウマがあって休止していて。いずれまたやりたいとは思って、曲はつくって蓄えていました。
鈴木:再開されたのには何か心境の変化があったのですか?
.jvkn:そうですね。美術家としてだいぶ時間を重ねてきて、そろそろ音楽のほうでも表現を再開しようかなと思えたんです。このところは失った時間を取り返している感じです。今日のライブもとても楽しかったですし、帰ってきたという感覚はあります。でも相変わらず、自分ってMCが下手だなって……(笑)。ただ、音楽は美術とは違う意味で相互コミュニケーションができるのでとてもよかったです。1人か2人か、100人かもしれないけど、目の前で聞いてくださる方の顔を見てパフォーマンスできるというのは、誰かのために歌う実感というか、豊かさがありますね。
鈴木:今日のパフォーマンスは、万博とStudyの大テーマに関することは意識していたの?
.jvkn:今日のパフォーマンスのテーマは、僕なりの「人間」を表現するものでした。普段、アート制作においては、非人間というか、人間中心ではないことばかり考える傾向があるのですが、逆に音楽だと表現が人間のエモーショナルな部分を扱う方向に赴くところはありますね。例えば、今日演奏したもののひとつに「集合論」という曲があります。これは私なりの「愛」の解釈を表現したいと思ったものなんです。人と人の関係が、この時代に合った霧のような距離感であれたら、とても心地が良いのではないか、とか。そういう意味で、人間について考えてみました。同時に、今回の万博とStudyのテーマを聞いたときに、まだ「人間中心」の考え方をしていることへの疑問というか、気づきがありました。
鈴木:なるほど。前回の万博のテーマ「人類の進歩と調和」も人間中心だったし、50年以上経過しても同じように、人間が中心に据えられたスタンスというのは変わらないとも言える。
.jvkn:はい。前回の大阪万博ではエコロジーについてもっと取り上げていたようなイメージもあって。でも日本が舞台で、この時代だからこそ、人間ひとりひとりの内面に向けて、多様性を見つめることが必要だというのは、とても前向きなメッセージだと思っています。
Study:大阪関西国際芸術祭
Study:大阪関西国際芸術祭・イベント情報
2025.7.21(月・祝)〜23(水)
日韓合同の国際アートフェア
Study × PLAS : Asia Art Fair
▶︎https://osaka-kansai.art/pages/artfair
profile

1988年、大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。アートプロジェクトのコーディネーター、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAのキュレーターを経て現職。芸術作品を「生」と不可分なふるまいの痕跡として捉え、自身の作品制作と展覧会企画運営の両面から得た視点や経験を基盤に、現代美術のキュレーションを行う。近年の企画展に、イザドラ・ネヴェス・マルケス展、石原友明展「SELFIES」、「Slow Culture」シリーズなど。
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1986年、シカゴ生。国内外でインスタレーションを中心に活躍する現代アーティスト・立石従寛による音楽プロジェクト。2024年7月、デビュー曲「Distant」は、能登半島地震の影響で一時閉館していた金沢21世紀美術館で撮影されたミュージックビデオとともに公開。日本語、英語をベースにさまざまな言語や文化的背景を織り交ぜた歌詞、アコースティックとデジタルを融合させたサウンド、力強さと繊細さを併せ持つ独特な歌唱が一体となり、鮮烈なポップスを生み出している。2024年末には2ndシングル「集合論」をリリース。2025年4月より海外や国内の自然や都市、さまざまな場所で出合う風景と音を、自身の歌とともに記録する、旅する歌のドキュメントWalkthroughを開始。
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1962年東京生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、85年三菱商事株式会社入社。2000年三菱商事株式会社初の社内ベンチャーとして株式会社スマイルズを設立。08年2月MBOにて同社の100%株式を取得。現在、Soup Stock Tokyoのほか、ネクタイブランドgiraffe、セレクトリサイクルショップPASS THE BATON等を展開。NYや東京・青山などで絵の個展を開催するなど、アーティストとしても活動するほか、スマイルズも作家として芸術祭に参加、瀬戸内国際芸術祭2016では「檸檬ホテル」を出品した。18年クリエイティブ集団「PARTY」とともにアートの新事業The Chain Museumを設立。19年には新たなコミュニティ「新種のimmigrations」を立ち上げ、ヒルサイドテラスに「代官山のスタジオ」を設けた。
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1958年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。82年、マガジンハウス入社。ポパイ、アンアン、リラックス編集部などを経て、ブルータス副編集長を約10年間務めた。担当した特集に「奈良美智、村上隆は世界言語だ!」「杉本博司を知っていますか?」「若冲を見たか?」「国宝って何?」「緊急特集 井上雄彦」など。現在は雑誌、書籍、ウェブへの美術関連記事の執筆や編集、展覧会の企画や広報を手がけている。美術を軸にした企業戦略のコンサルティングなども。共編著に『村上隆のスーパーフラット・コレクション』『光琳ART 光琳と現代美術』『チームラボって、何者?』など。明治学院大学、愛知県立芸術大学非常勤講師。
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