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オパス有栖川 新コンセプトルームの創造性を紐解く<br>第3回 ニコライ・バーグマン
R100TOKYOを知る|オパス有栖川の新しい住まい

オパス有栖川 新コンセプトルームの創造性を紐解く
第3回 ニコライ・バーグマン

豊かな眺望とスカンジナビアデザインの名品に彩られた、ニコライ・バーグマンの箱根のアトリエ。

東京を代表する邸宅マンション「オパス有栖川」の新しいコンセプトルームは、スカンジナビアと日本という2つの文化を融合して生まれた。デンマーク出身で長く日本に暮らすフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマンさんの拠点のひとつである箱根のアトリエもまた、文化や美意識のミックスを感じさせる場所だ。インタビュー連載の第3回は、その家を訪ねて彼の暮らし方や愛用のキッチンについて聞いた。

Text by Takahiro Tsuchida
Edit by Masato Kawai(BUNDLESTUDIO)
Photographs by Satoshi Nagare

雄大な自然の中に佇む、眺めのいい家。

今から7年ほど前、フラワーアーティストのニコライ・バーグマンさんは、運命に導かれるようにこの土地と出会った。箱根の中でも美術館や温泉などのある強羅エリアで、傾斜地が多く環境は厳しいが、眼前には豊かな自然とすばらしい風景が広がる。2019年、ニコライさんはここに自身のアトリエを完成させ、日本にいる時はほとんどの週末を箱根で過ごすようになった。

「この土地のオーナーは、最初に私を案内してくれた時、あまりに急斜面で一面が林だったから、私がアトリエを建てるとは予想していなかったようです。でも坂を登って景色を見た時、アトリエをもつならここしかないと思いました。それくらい圧倒的な眺めだったんです」とニコライさんは話す。

箱根の山の中腹に立つ建物は、風景を見下ろすように一面をガラス張りにしている。
ステップを上って左側のエントランスから建物に入る。右の階段の先にはテラスがある。
2階まで吹き抜けになったエントランスはデンマークの巨匠、ポール・ヘニングセンによるシャンデリアが際立つ。

建物の設計は、交流のあったクライン・ダイサム・アーキテクツに依頼。敷地が山の中腹なので、建物の奥行きが約20メートルなのに対し、約6メートルの段差をつける必要があった。そのため1階部分は、2面を大きな窓にしたリピングスペース、ダイニングやキッチンのスペース、そしてラウンジスペースへとスキップフロア状に段差を設けてある。インテリアのデザインや家具のコーディネートは、すべてニコライさん自身が手がけた。

リビングスペースは、ハイメ・アジョンによる白いソファをはじめ、デンマークの「Fritz Hansen」の家具を多く使っている。このソファ以外、新しく買った家具はほとんどなく、以前からニコライさんが所有しながら使っていなかったものをコーディネートしたのだという。天井が高く、暖炉から薪の燃える香りが漂う、ずっとここにいたくなるような空間だ。

左のソファはハイメ・アジョン、右の椅子はアルネ・ヤコブセンによるもので、ともに「Fritz Hansen」の製品。窓からの眺望は飽きることがない。
暖炉のあるリビングスペースは、ところどころに現地の植物をアレンジし、さりげなく彩られている。
リビングスペースから室内を見ると、ダイニングスペース、さらにラウンジスペースへと床面が高くなっている。
リビングスペースとキッチンの間には、ニコライさんによる絵画が飾ってある。

ニコライさんは、自身が生まれ育ったデンマークのプロダクトに深い愛着を持ち、生活のあらゆるシーンで使いこなしている。中でも特に好きなデザイナーをひとり挙げるなら、20世紀半ばに活躍したポール・ケアホルムだという。

「彼はデンマークには珍しく金属製の家具を多く手がけたデザイナーで、どの作品も60年以上前にできたものとは思えません。本当にタイムレスなデザインをつくり続けた人です。普通に見ても美しい上に、裏返すと見えるパーツまで完成されています」

ラウンジスペースに置いたケアホルムの椅子「PK22」とテーブル「PK61」は、発表60周年を記念して2016年に限定発売されたアニバーサリーモデル。シートにヌバックレザーを、天板にペルシャ産ペトラ大理石を使用し、脚部は亜鉛コーティングによってグレイッシュに仕上げてある貴重な逸品だ。

ラウンジスペースの椅子、テーブル、デイベッドはいずれもポール・ケアホルムによるマスターピース。
1階の空間をラウンジスペースから眺める。床と天井はすべてデンマークの「DINESEN」の木材を輸入して用いた。

1階の中央部分にあるダイニングスペースも、デンマークのデザインで統一されている。「CARL HANSEN & SØN」の黒い椅子とダイニングテーブルは、特別な経緯でこのアトリエに来ることになったものだという。

「デンマークの有名なレストラン『NOMA』が日本で初めてポップアップをした時、VIPルームで使われていた椅子とテーブルなんです。3カ月間の会期中、大統領や有名人から一般の人までたくさんの人たちが座って食事をしました。今ではここで会食したり、フラワースクールをすることもあって、やはりいろいろな人が集まっている。そんなストーリーが気に入っています」

「NOMA」のポップアップレストランで使われていたテーブルと椅子は、会期直後に入手してずっと保管していたという。ステインドオークのフローリングの床材は幅45cm、日本の住空間には珍しいサイズだ。
天井の照明はデンマークの「Louis Poulsen」の定番「Patera」をニコライさんが黒くペイント。モダンな家具とコンテンポラリーアートの調和も小気味よい。
ダイニングスペースに面して、右側に見えるのがキッチンスペース。

無垢材と職人技の結晶、「Garde Hvalsøe」のキッチンの魅力。

ダイニングスペースに面した窓側には、「Garde Hvalsøe」の大きなキッチンがある。1993年にスタートしたデンマークのキッチンブランドで、その製品はすべてオーダーに基づいて制作される。ニコライさんは、創業者兼オーナーのソーレン・ガーデさんの父親と知り合いであり、そのクリエイションにずっと注目してきた。

「以前から『Garde Hvalsøe』が最高のキッチンだということは知っていたから、他の選択肢は考えませんでした。この家にはどんなキッチンがふさわしいのかを彼と話し合い、デンマークの工房にも足を運んでいます。素材はオークで、この空間の床や天井と同じく『DINESEN』の木材を使ったものです。木の節やバタフライのパーツが多く入るようにと、私の好みを伝えました」

ニコライさんのいうバタフライとは、日本の木工にも見られる「千切り」(ちぎり)のことで、無垢材の割れを抑えるために用いてある。このディテールは、「Garde Hvalsøe」の木箱部分の精緻なボックスジョイント(あられ組み)と並び、木工職人の確かな技術を裏づける要素だ。床の「DINESEN」のフローリング材にも同様のディテールがある。

キャビネットのように見えるアイランド部分と、窓際や壁際に設えた部分などで構成された「Garde Hvalsøe」のキッチン。
グレーのパネルによる壁面は、オーブン、ワインセラー、冷蔵庫などが収まっている。
無垢材の割れを抑えるために打ち込むバタフライ型の千切りはクラフツマンシップの証明だ。

「Garde Hvalsøe」のキッチンは昔ながらの木工技術に基づいていて、現代的な高機能キッチンとは一線を画している。無垢材をジョイントした箱で多くが構成され、引き出しも木箱そのものといった趣。どこに何を収納するかが工夫され、吟味されているので、十分に使いやすいとニコライさんは話す。

「アトリエが完成して3年ほど経ちますが、大きなダメージはなく特にメンテナンスもしていません。水に濡れると色が変わるのは自然の変化なので気にならないし、もしキズがついてもサンドペーパーをかけてオイルを塗れば元に戻ります」

キッチンの一部の引き出しは二重になっていて、カトラリー類も収納しやすい。
引き出しはレール金具などを使わず、精度の高い加工によってきっちり収まるようにできている。
ワンタッチで熱湯が出る「Quooker」の沸騰水栓を取り入れている。

OEO Studioがデザインしたオパス有栖川の新しいコンセプトルームにも「Garde Hvalsøe」のキッチンが採用されている。「日々の暮らしにすばらしい瞬間をもたらすキッチンは住空間の中心にあるべきもの」と、OEO Studioのトーマス・リッケとアンマリー・ブエマンは語っていた。ニコライさんのアトリエではキッチンがまさに1階の中央部にあり、ダイニングスペースとの境界を設けずひと繋がりの場としてレイアウトされている。

「調理中に行き来しやすいのはもちろん、キッチンからの眺望も大事だと思ったのです。朝のコーヒーはキッチンの横のカウンターに座って飲み、メールのチェックなど簡単な仕事もここでします。ここに座っていると、シカなどの動物が庭で休んでいて目が合うこともあります」

オパス有栖川の新しいコンセプトルームに採用された「Garde Hvalsøe」のキッチン。やはり無垢材を多用してあり、使い込むほど味わいを増していく。
キッチンのカウンターでPCに向かうニコライさん。ここが朝のコーヒーや日常的な仕事の定位置になっている。

何も考えず自然に接することが、いちばんの楽しみ。

ニコライさんの感覚が最大限に発揮されたこの家は、選ばれた家具も、自然との距離感も、すべてにおいてスカンジナビア的と言える。ただしその心地よさは、日本に暮らす人々にとっても素直に共感できるものだろう。とても贅沢な空間ではあるが、どこか親しみのわく簡潔さや清潔感がそなわっている。

「日本の昔の住まいを見ると、何ももののない畳の空間があり、必要に応じて食事したり、布団を出して眠ったりと、そのシンプルさがとても格好いいと思います。北欧デザインのミニマリズムとも共通するものを感じます」

ポール・ケアホルムはじめ、20世紀のスカンジナビアのデザイナーたちも日本の美意識にしばしば影響されてきたことは確かだ。OEO Studioのふたりもまた、日本から多大なインスピレーションを得ていることを率直に認めている。

キッチンでのフラワーアレンジメント。ニコライさんはオパス有栖川の新コンセプトルームのフラワーアレンジメントも担当した。
県道から建物までのアプローチはかなりの急坂で、周囲には雑木林が広がる。
自然に包まれるように立つニコライさんのアトリエ。温泉地として有名な大桶谷に近く、川の流れる音と硫黄の匂いが漂う。

現在、ニコライさんはアトリエの周囲2万坪の敷地を使い、誰もが訪れることのできる広大なガーデンにしようというプロジェクトを進める。箱根の自然の中で、彼が手がけるフラワーアートを堪能できる場所になるそうだ。

「カフェもつくるし、温泉のお湯を利用して冬でも楽しめる建物もつくりたい。東京にいると季節の変化を感じにくいけれど、箱根は1週間で景色がダイナミックに変わるんです。だからここに来ると何も考えずに自然の中を散歩するのが習慣になっています」

OEO Studioがオパス有栖川のコンセプトルームで重視したのは、住む人が自分の家だからこそ過ごせる、目的や予定から解放された「何もしない時間」だった。そんな時間の中で心と体がエネルギーを取り戻し、日々の幸せを実感できるようになる。ニコライさんが箱根で過ごす時間にも、同じような意味があるに違いない。

全3回のインタビュー連載において、OEO Studio、水野製陶園、ニコライ・バーグマンさんとの対話を通して感じるのは、ただ単に美しい家具や上質な設えを揃えても本当に心地よい住まいは完成しないということだ。オパス有栖川では、多様な文化に触れて経験を積んだデザイナーが、ものに対して真剣に向き合うつくり手やブランドとコラボレーションして、かけがえのない空間を完成させた。その魅力は普遍的にして根源的であり、時代に左右されることなく、いつまでも語り継がれることだろう。

profile

Nicolai Bergmann (ニコライ・バーグマン)

デンマーク生まれ。デンマークでフローリストの勉強をした後、1998年に来日してフローリストの経験を積み、2000年に彼の代名詞となるフラワーボックスを開発。現在、デンマークやロサンゼルスなど国内外に13店舗を展開する。21年完成のオパス有栖川のコンセプトルームではフラワーアレンジメントを担当した。22年春に「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」がオープンする予定。
▶︎ https://www.nicolaibergmann.com/

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