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物語があるこれからの価値をもった住まいづくり|ReBITA×五割一分対談 後編

物語があるこれからの価値をもった住まいづくり|ReBITA×五割一分対談 後編

対談後編は、代官山という街と、そこでの暮らし方、ルクラス代官山を手がけるうえで、その暮らし方のお手本となった北欧の人びとの暮らし、コンセプトルームにしつらえられた家具の意味から、東京で豊かに暮らすためのヒントなど、上質な暮らしにまつわるエッセンスについて、コンセプトルームのデザインを手がけた五割一分のディレクターをつとめる三浦哲生氏、リビタプロジェクトマネージャー斎藤渉氏に加え、リビタ建築ディレクション部 相澤佳代子氏を交えて対話を展開。そのプロセスから、ルクラス代官山で暮らすことの価値を探っていく。

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聞き手:加藤孝司/デザイン・ジャーナリスト
東京は浅草生まれ。建築・デザインを横断的に探求、執筆。デザイン誌や建築誌などへの寄稿をはじめ、2005年よりはじめたweblog『FORM_story of design』では、建築、デザイン、映画や哲学など、独自の視点から幅広く論考中。

対談ゲスト:三浦 哲生/五割一分ディレクター 、「ルクラス代官山」トータルディレクター
2003年 株式会社アクシス リビング・モティーフ入社。約10年間、MDや販売、イ ンテリアスタイリングに従事ののち2013年 五割一分 ディレクターに就任。51% Tokyo にて、インテリアコーディ ネート、企画、イベントディレクション、PRなどを担当。
最近では、東京虎ノ門「Andaz Tokyo」スィートルームの書籍スタイリングなど を手掛ける。

斎藤 渉/リビタ、R100TOKYO シニアプロデューサー
リビタ設立時より“1棟まるごとリノベーション”のプロジェクトマネージャーを担当。 都心高額物件を多く手がけ、昨年は「瀬田ファースト」にてグッドデザイン賞を受賞。 “次世代住まいの価値づくり”をライフワークとし、日々の企画に勤しむ。

相澤佳代子/リビタ R100TOKYO シニアディレクター
「ルクラス代官山」の企画に携わる。リビタのメンバーと共にミラノサローネへ出向いたリアルな体験を企画に生かすべく奮闘中。
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「代官山での暮らし方、北欧での気づき」

– ルクラス代官山での協働の経緯を教えてください。

斎藤渉(リビタプロジェクトマネージャー):そもそも代官山は感度が高い人が集い暮らすエリアといわれています。不動産的にもとても人気が高く、物件もなかなかでません。その代官山で、専有面積が122平米、しかも1フロア1住戸の希少性のある住宅を一棟丸ごとリノベーションするとなったとき、R100 TOKYOのフラッグシップとなるものをつくらなければならないと思いました。それでこれは五割一分とタッグを組まなければと思い、すぐに電話をしたのが2013年の11月でした。
代官山は、街の名称の通りその成り立ちがお屋敷街でした。現在の街並という点では、1969年に第一期が竣工した「代官山ヒルサイドテラス」がこの街の風景を象徴していると思うのですが、その場所はもとをたどれば現在のヒルサイドテラスのオーナーである朝倉家のお屋敷があった場所でした。
その場所に今、感度の高い人たちが集い、そこから現在の代官山のイメージが醸成されていきました。ですので、現在の街の成り立ち自体が、そのように建築物を通したムーブメントとしてとらえることもできるわけです。
2011年12月にオープンした「代官山 蔦屋書店」も、その街の成り立ちを継承していると思うんです。ルクラス代官山としては、ひとつその街の成り立ちに参加したかったという思いがありました。

そのような歴史もある大人の街で行なうプロジェクトですので、R100 TOKYOのコンセプトをより研ぎすましたかたちで展開するにはちょうどよいと思いました。
これまでも東京で活躍する建築家やデザイナーたちと一緒にお仕事をさせていただいてきたのですが、今回のプロジェクトは私たちにとっても、あらためて一から一緒にものづくりをしていきたいという思いもあって、五割一分にお願いしました。

三浦哲生(五割一分ディレクター):富山を中心とした北陸地域で活動をしてきた我々にとっても、今回のようなお話しをいただけた事は、素直に嬉しかったです。「一緒にものづくりをしていきたい」というリビタの熱い思いに、我々も負けずに熱く応えていきたい。打合せを重ねるごとにその思いは日に日に増していきました。

振り返ってみると、当初は不動産事業者の立ち位置のリビタと、インテリアから暮らしを考えてきた我々とでは、大げさな言い方ですが、共通の言語があまり無かったように思います。それが、このプロジェクトを通して、だんだんと共感できる部分が増え、お互いのコミュニケーションの取り方にもストレスがなくなってきました。「一緒にものづくりをしていく」過程において、こうした経験が共通の認識としてできたことも、大きな収穫でした。

– プロジェクトが発足してすぐに北欧に行かれたそうですね。今回、代官山プロジェクトのコンセプトルームを拝見して思ったのが、空間と光の関係性の豊かさです。室内は昼間でも光の照度が心地よくおさえられていて、なおかつそれがどんな高級なインテリアよりも空間の質を高めています。その光のコントラストをみたとき、これは北欧の暮らしだなと思いました。北欧の国々は、長い冬の季節をいかに楽しく家で過ごそうかということで、優れた機能と高いデザイン性をもった照明や家具など、インテリアを生みだしてきた歴史があります。

斎藤:代官山プロジェクトの実施が決まってすぐに北欧に視察に行きました。それも五割一分との出会いがきっかけになっています。デンマークのコペンハーゲンにぜひ行ってくださいと角谷さんにいろいろご配慮いただいて、北欧の老舗家具メーカーであるフリッツ・ハンセンの工場や、一般の方の住宅などにも行きました。そして訪れてみて、五割一分がいう暮らしの質の豊かさとは、こういったことなのだなとすぐに納得しました。

相澤佳代子(リビタ建築ディレクション部):角谷さんには五割一分の事務所で実践されている北欧の暮らしのエッセンスや、北欧の国々の豊かな暮らしというものを、写真などで見せていただく機会はあったのですが、実際に現地に行ってみて、実感値をともなった言葉の強さをあらためてそこで確認しました。

斎藤:工場もそうですが、ごく一般の方の暮らしぶりに感銘をうけました。コペンハーゲンに訪れたのは冬でしたが、毎日ほとんどが薄暗い曇り空だったんですね。そんななか自然素材のフローリングに、壁には大きな本棚があり、リビングには使いこまれた木の椅子やソファが置かれていて、そこに天井から照明がひとつ吊るされ、あたりをやわらかく照らしている。決して部屋全体が明るいわけではないですが、とにかく丁寧な暮らしがもつ暖かみや豊かさがありました。日本のように、決してものの豊かさが際立ってあるわけではないのですが、そこに置かれているものと空間、そしてその家がある環境を含めた都市環境と住空間全体との関わりが、とにかく心地よくて、素晴らしかったのです。

それと、早朝、ホテルのまわりを散歩していたときに、共同住宅があったのですが、すべての部屋のカーテンが開いていて、窓辺に素敵な照明が吊るされているのがみえました。そのときに、住まいを家のなかだけですべて完結させるのではなく、周辺環境も含めてすべて自然にとけ込ませるように存在させているから、そこに街そのものとつながりをもった住まいとしての豊かさがあり、美しさがあるのだなと実感しました。日本の住宅には、まだまだ浸透していない価値観をそこで感じました。そしてその感性をもった五割一分となら、代官山でも同じことができるのではないかとその時にはっきりと確信しました。

「北欧と日本」

– なるほど興味深いお話ですね。では五割一分が考える代官山の魅力と、そこでの暮らす愉しみとはどのようなところにあると思われますか?

三浦:R100 TOKYOのコンセプトをうかがったときに、どのような人がこの場所を選び暮らすのかということをイメージしていきました。代官山はファション、アート、食や遊びなど、ひと通り良いものを経験した大人が、落ち着いて暮らすことのできる場所です。
また、隣接する恵比寿・渋谷・広尾・六本木のエリアは、様々な流行の発信地でもあります。様々なジャンルの情報のなかから自分なりの楽しみ方を編集できる刺激的な場所でもあると思います。閑静な場所に建つこの部屋では、オンとオフを上手く使い分けることでその愉しみ方は多岐にわたるのではないでしょうか。

– ルクラス代官山コンセプトルームの空間のコンセプトについて教えてください。

三浦:R100 TOKYO自体のコンセプトを伺った際に我々は「100年の至福」といったフランスの農夫達に伝わる話しでお応えしました。
「今日植えた葡萄の樹は次の、また次の世代にならなければ、本当に美味しい葡萄酒を味わうことは出来ないかもしれない。けれど、その日のために今日その樹を植えよう」。そんなお話しです。
シンプルで上質、使い込むうちに汚れ、傷つき、けれど100年の後も、やはり美しいと思える味わいを。何よりもそこに暮らす人達に「唯一無二の愛着」を感じてもらえる宝物のようなものを創り出したい。
出来れば、100年の後には「スクラップ&ビルド」「使い捨て消費社会」を繰り返してきたこの国の、そんなカルチャーが少しだけでも変わることを期待して、リビタのR100 TOKYO のコンセプトに乗せて作らせていただきました。

– それとルクラス代官山のコンセプトルームをみて思ったのが、北欧のエッセンスもそうですが、ひと昔前の日本の民家にも通じるのではないかということでした。室内は昼間でも薄暗いのだけれども、窓やブラインドのスリットから漏れる光になんともいえない陰影があります。天井から吊るされたペンダントランプも、人工の照明には違いがないのだけれど、木漏れ日のような、やわらかな優しい自然光のようにもみえます。ルクラス代官山のコンセプトルームには、北欧のエッセンスを感じながらも、日本の風土にあった、日本人のための住居という感じがしてとても共感しました。

斎藤:それは角谷さんもまさに同じようなお話をされていました。戦後70年近くたち、日本人の暮らし方がまったく変わってしまった。それ以前の暮らしには、今私たちが忘れてしまった、本質的な暮らしの豊かさがあるとしきりにおっしゃっていました。昔は縁側があって部屋のなかはほの暗かった。その対比に落ち着きや心地よさを感じて暮らしていました。そこに北欧でみた暮らしがすんなりと重なりました。

三浦:角谷はもともと大工をやっていて、古民家の再生なども手がけてきましたので、昔の日本の民家がもつ心地良さというものは感覚のなかに染み付いていたと思います。もともと家具が大好きで、海外の家具の仕入れ販売などもしていました。そのなかで行き着いたのが、北欧の家具であり、そこでの暮らしでした。

「100平米がもつ価値」

– 100平米以上という広さは、どのように暮らしの豊かさに結びついてくると思われますか?

相澤:もともとは都心に広く豊かな物件があるのに、それがそれを必要としている人に届いていない現実があることに問題意識をもって、このプロジェクトはスタートしました。これまでは、そのような広い物件は多くの人にとって文字通り高嶺の花でしたが、世の中の経済が少し低迷してきて、今こそそれがそれを必要としている人たちに、少し手の届きやすいものになりつつある現状があります。そのような不動産事情も私たちがR100 TOKYOを立ち上げたひとつの背景にありました。
それと、一般的なマンションの価値曲線が、購入したときがピークで右肩下がり、という暗黙の認識があります。それに対しR100 TOKYOでは100年後も受け継がれる、将来のヴィンテージマンションとなり得る普遍的な価値を持った住まいづくりと、お引き渡し後もさまざまなサポートをすることで、資産性をもった住まいづくりを目指します。
都心にあってそのように暮らしの普遍的な価値をもった物件を、単なる耐久消費財ではなく、この先の未来に継承していくべき「社会の財産」にしたいと考えているのです。

斎藤:それと成熟というものがもうひとつのキーワードとしてありました。これまで通りすべてが右肩上がりというわけにはいかない時代のなかで、そろそろ日本人も地に足がついた暮らしをしようじゃないかという機運が人びとの感覚のなかに、ある種の危機感とともに目覚めつつあります。R100 TOKYOではそんな本質的で切実な、新しい価値観の創造に対して一石を投じたいという思いもあります。
そのように暮らしに対し日本人の価値観が変わりつつあるなかで、本質的な暮らしとはなんだろうか考えながらこのプロジェクトを進めていったのです。

– 北欧の暮らしや、日本の民家のどこに豊かさを感じるかといえば、そこに積み重ねられてきた「時間」だと思うのです。暮らしの豊かさをはかるものさしには、物質的な豊かさだけではなく、目には見えない時間に価値を見いだすという側面があると思います。そういった意味では今回のプロジェクトでは、竣工時が完成ではなく、時を経ることで価値が増す素材や、普遍的な価値をもった家具がしつらえられています。暮らし始めてからがスタートで、それからの暮らしにどのように向き合うかといった「考え方」に向き合うことのできる、時とともに熟成していく価値と魅力を備えているところがR100 TOKYOのほかにはない魅力だと思いました。

斎藤:ルクラス代官山は空間自体は一見とてもシンプルで、ストイックにさえみえます。ですが、そこはおっしゃっていただいたように、時とともに味わいが増す素材や丁寧に選ばれ家具などにより、上質な暮らしの背景にふさわしい資産価値も兼ね備えた、住むほどに愛着が増す心地よい空間に仕上がっています。それと三浦さんがおっしゃっていたように、家具やインテリアで暮らしが本当に変わるんですね。今回のコンセプトルームが出来上がってみて、それをあらためて実感しました。
それと建物のその場所でしかないような光の環境といったものが、時間とともに贅沢なシーンを演出しているデザイン手法。時間によって移りゆく光と、それを受けとめる空間の絶妙な相乗効果、日本古来の陰影礼賛ともいえるものが五割一分がつくる空間にはありますね。
富山で感じた、東京でこれをつくるのは無理だと思っていた、豊かな空間がここに実現しています。このコンセプトルームに来ていただければ、わたしたちが富山で感じた豊かさを疑似体験していただけるのではないかと思います。そうすることで、失いかけていたものに対する気づきであったり、今後の豊かな暮らしのヒントとなるものを感じていただけるのではないでしょうか。

三浦:代官山の100平米以上の物件ということで、ラグジュアリーにとらえられがちなところで、物質的な豊かさだけではない、時間や空間自体が醸し出す価値をR100 TOKYOでは伝えたいと思っていました。
現在、世界的にみて、そのラグジュアリーの意味が変容してきていると思います。仕上げのよさや高級感のある素材というものだけでなく、同じ素材選びにしても、より本質的で普遍的な価値をもったものにとその評価軸が変化してきていると思うんです。代官山で考えてきたようなものを、この国のこれからの住まいのスタンダードにしたいと思っています。コンセプトルームであっても、その後の暮らしをイメージでき、未来を語れるような本質的なところをリビタと発信できたのではないかと思っています。

斎藤:今回、R100 TOKYOでは、通常モデルルームというところを、あえてわれわれの考え方や思想を伝える意味も込めてコンセプトルームといっています。これは商品ではなく、住まいに対する考え方を広めていくムーブメントです。
そういった意味では、ルクラス代官山でやっていることは、われわれのほかの物件でやっているコンセプトルームとも全然違うものを、五割一分との協働により提示できていると思っています。

ハイセンスな代官山のこの場所で、単なる高級物件とは異なる、ゆったりとした上質な時間の流れる、豊かな「間」をもった空間です。都心に位置しながらそのような心のゆとりをもたらす、新しい住まいというR100 TOKYOの価値観に共感し、その豊かさを感じていただければと思います。

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