東京の伝統的な邸宅地であり、常に最新のカルチャーも香る街
東京の邸宅地の中で、近年ますます人気が高まっているエリアがある。代々木公園~代々木八幡~代々木上原にかけての「代々木エリア」だ。代々木公園や明治神宮といった都内でも指折りの豊かな緑に恵まれ、渋谷・新宿へのアクセスが良い立地とあって、このエリアに住まいを求める人にはメディア、ファッションやIT業界の関係者も多い。
しかし、このように時代やカルチャーへの感度が高い人々が代々木に惹かれるのは、単純にアクセスや住環境だけによるものとは言いがたい。同じ東京の邸宅地でも、代々木という地ではどこか常に、正統と新しさが入り混じりオリジナルな文化が醸成されている。その豊かな文化の香りをまとった“人格”に、人々は代えがたい魅力を感じているように思える。この感覚は何に由来するものなのか、土地の歴史を紐解いてみよう。
ワシントンハイツから始まった代々木のカルチャーの息吹
代々木エリアは明治後期から邸宅地としての開発が始まったとされる。小さな起伏が多い中でも見通しの良い高台に、華族や政財界の要人の屋敷が立てられるようになった。また昭和初期の鉄道敷設の機にも、周辺の邸宅地開発が進んだ。
この屋敷町に独特な文化の息吹が感じられるようになったのは、昭和にこの地にあったワシントンハイツの存在が大きいのではないか。ワシントンハイツは、1946年に建設された、アメリカ空軍とその家族用の団地だ。日本人は立ち入り禁止となったこのエリアには、軍用施設と住宅のみならず、学校、教会、劇場などもつくられた。フェンスに囲われ隔てられたここにだけ、“アメリカの街”が形成されていたのだ。
ワシントンハイツは1964年、東京オリンピックの年に返還された。選手村として利用されたあと、代々木公園、NHK放送センター、国立代々木競技場、国立オリンピック記念青少年総合センターなどが建設されることになる。返還後も先進的かつハイセンスな生活の雰囲気は残され、多くの外国人がこのエリアに住み続けた。さらには海外文化の入り混じる最先端の空気に惹かれ、日本の文化人も集まってくるようになる。こうして多様な文化を愛する代々木の“人格”は形成された。今後も新陳代謝を繰り返しながら、住まう者に愛され続けていくのだろう。
「徳川山」と呼ばれた大山町・西原界隈の魅力
また東京の伝統的な邸宅地は、もとを辿れば御料地あるいは将軍家の領地であったことも多い。盤石な地盤、風光明媚な高台といった恵まれた地形や、広大に確保された土地など、邸宅地の要件が揃うことを思えば必然ともいえるだろう。代々木エリアの中でも渋谷区大山町・西原のあたりは、かつては「徳川山」の名で、高級住宅地として分譲された地だ。この土地の持ち主は、紀州徳川家出身の貴族院議員・徳川頼倫侯爵とその息子の頼貞であった。人材と文化の育成に私財をなげうち、莫大な財産を使い果たした結果、この地を手放すことになったという。
「徳川山」は1927年に小田急線が開通し、現在の代々木上原駅が「代々幡上原駅」として開業してから、一気に宅地化が進んだ。当時から大区画で分譲され、現在でも一部エリアで敷地面積200㎡の最低限度があるなど、ゆとりある整備された邸宅地となっている。邸宅マンションは比較的規模が小さく販売数も少ないことから、希少性が高いエリアだ。
それぞれの魅力を湛える代々木の邸宅地3エリア
邸宅地としての代々木エリアは、代々木公園の西側から代々木上原駅周辺まで広がっている。ここでは3つのエリアに分けて、R100 tokyo注目の邸宅マンションを紹介していく。
【代々木五丁目・大使館通り・元代々木エリア】
代々木公園や代々木八幡の緑に隣接する閑静な邸宅街である。特にブラジルやブルガリアの大使館施設がある「大使館通り」と呼ばれる通りの近辺に邸宅マンションが集まっている。代々木エリアの中では新宿や渋谷といった都心部に最も近く、山手通りからの車のアクセスも良い。
代々木の杜パークマンション
「大使館通り」に面する総戸数18戸の邸宅マンション。建築家・横河健氏のデザインで、コンクリート打ち放しの特徴的なファサードデザインが閑静な邸宅街に溶け込んでいる。
東急ドエルプレステージ代々木公園
「大使館通り」に面する総戸数26戸の邸宅マンション。シャープなエントランスが印象的。エントランス側からは住棟が見えない配棟の工夫がなされ、プライバシー性にも優れている。
パークハウス代々木公園
「大使館通り」のヒルトップに位置する、総戸数68戸のエリアでは比較的大規模な低層邸宅マンション。2線2駅利用可能で山手通りにもアクセスしやすく、緑豊かで閑静な住環境と利便性が両立。
【大山町・西原エリア】
代々木上原駅周辺にはスタイリッシュなショップや隠れ家的飲食店が集積しているが、北へと坂を上ればがらりと表情が変わり、閑静な街並みが広がる。「徳川山」と称された大山町、そして西原二丁目・西原三丁目には一部エリアで敷地面積200㎡の最低限度があり、大きな区画の邸宅が受け継がれている。大邸宅とハイグレードマンションが調和した街並みは都内でも希少だ。
プレステージ代々木大山
大山町の中でも徒歩5分と代々木上原駅に近く、利便性と落ち着いた暮らしの両者を享受できる総戸数19戸の邸宅マンション。外構の垣根がきれいに整備され、セキュリティを高めながら邸宅地の雰囲気を損なわない設えとなっている。
ペアシティ代々木西原アデニウム
代々木大山公園近くに位置する総戸数8戸の邸宅マンション。植栽を豊かに施し、落ち着いた邸宅街の雰囲気を醸成している。2004年築とペアシティシリーズでは比較的新しいが、「建築は芸術品」の思想を受け継いだ上質な外観デザインが目を引く。
西原パークマンション
西原三丁目のヒルトップに位置する総戸数14戸の邸宅マンション。旧三井不動産分譲の最高峰マンションシリーズ「パークマンション」の名にふさわしい、質感あるタイルを用いた風格ある外観とアプローチの奥に設けられたエントランスが、上質な暮らしを予感させる。
イトーピア西原イデア
西原のヒルトップから少し奥まったエリアの総戸数20戸の邸宅マンション。閑静な環境にマッチした緑の多い外構と、吹き抜け設計により個性豊かな表情をもち開放感にあふれるエントランスが特徴。
【上原二丁目エリア】
大山町・西原エリアと井の頭通りを挟んで南側の高台に広がる邸宅街。さらに南側には駒場公園や東京大学があり、四季の変化を楽しみながら散歩するのも心地よい。渋谷へのアクセスもよく、多くの経営者や芸能人が居を構える。日本を代表するアーティストやクリエイターも、この地を選ぶことが多いという。比較的新しい邸宅マンションが多いのもこのエリアの特色である。
プラウド上原
上原二丁目エリアを代表する総戸数58戸の邸宅マンション。エントランスに大きなキャノピーのある大空間を有する。植物園をイメージしたという植栽計画により、周辺の街並みと協奏し心安らぐ景観を実現している。
プラウド上原フォレスト
総戸数15戸、築35年の高級賃貸マンションをリノベーションし、一部を増築したハイブリット型リノベーションプロジェクト。風格を感じるエントランスと、モダンにリノベーションされた外構のコントラストが魅力となっている。
グランドヒルズ代々木上原
大理石や御影石を用いてデザインされた重厚感のある外観と、ガラスのキャノピーのモダンなエントランスが特徴。総戸数26戸、平均専有面積138㎡のゆとりあるプランに、メンテナンス性を考慮した配管計画など、永く暮らせる設計の配慮も魅力の邸宅マンション。
代々木エリアを歩いていると、大邸宅と邸宅マンションが連なり、独特の調和を見せる街並みに思わず感嘆の息をついてしまう。大きな土地に建つ意匠を凝らしたファサードを見て、マンションかと思えば個人の表札がかかり、一方でマンションは存在を無粋に主張することなく、街並みに洗練された表情を加えている。代々住み継がれてきた屋敷もあればスタイリッシュな現代的建築もあり、個々の価値観が入り混じりながら街の魅力に磨きをかけているかのようである。ここに住まう喜びへの期待が膨らむ風景がここにはある。
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